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托鉢・・・GR DigitalⅡ with GR-Lens5.9mmf2.4

少し前に私の先輩であり友人の方のブログで取り上げられた事に『断捨離』なる言葉がある。
その言葉は本のタイトルであり、副題に『もたない男』とあった。
作者名は忘れたけれども漫画家であり、私も見知っていたくらいだから売れっ子とまでは行かないまでも大人向け漫画雑誌ではそれなりの地位を持つ男性の話である。

気になって本屋で立ち読みをしてきたが、その漫画家の仕事場の写真が出ており見事なまでに『何も無い!』
つまり『断捨離』とは不要な物は・それは生活と仕事に関して・一切排除する事の様である。
所有欲と言うものとは少しかけ離れた思想のような気がしないでもなかった。
その一端を紹介するなら・・
その彼の漫画を書く為の仕事場にあるものといえば、瑣末な引き出しも無い作業台の様なテーブルと丸いす、疲れたとき横になるための木枕一つ、これだけなのである。

賃貸マンションなので元からあるガスコンロ等は、捨てられないので押入れになおしているが捨てたくて仕方が無いらしい。
また、最初は背もたれ付きの椅子であったらしいが、その背もたれさえも不必要に思えて最初は切り落とし、どうせならと丸椅子に変えたとの事である。

使わない、いやもはや使い切れないカメラに囲まれた私にすればこの『断捨離』の思想は危険この上ないのである(笑
托鉢・・・GR DigitalⅡ with GR-Lens5.9mmf2.4_c0160387_7154396.jpg
これは先日行った極寒の京都四条大橋袂に立つ、托鉢坊である。

一見『断捨離』とは無関係のようだが、出家者は一般に所有欲を否定するために三衣一鉢の最低限の生活必需品しか所有しない、いわゆる物を持つことを禁じる上部座仏教の思想により生きていくための糧を得るためとして托鉢は始まったのである。
”仏教やジャイナ教を含む古代インド宗教の出家者の修行形態の1つで、信者の家々を巡り、生活に必要な最低限の食糧などを乞い、信者に功徳を積ませる修行。”(出典;wikipedia)
単なる修行ではないのである。

しかし同じ托鉢でも、物を所有することを禁じない大乗仏教が根底にあるとは言え橋の架け替え費用捻出とか大仏建立のためなどチャリティ要素が強い日本の托鉢とはいささか赴きは違うのである。
それだけではなく私は外車を乗り回す、なまぐさ坊主もたくさん知っているのだが。

さてここで断捨離に話を戻すが、作者も書中に書いていた事だが決して物欲が無いのではなく逆に物欲は強いのだと言う。
だから買っては捨ての繰り返しで、その購いを得るために生きていくうえで必要ない(笑 漫画を書いているのである。
書中見出しだけでは物欲・所有欲が無い仙人のようなものを想像していたが、なかなか人間と言うものは欲からは解脱できないものらしい・・

そう言えば、私が大学時代にバイトをしていたミスタードーナッツ(意外?)では、社員研修の一環で托鉢があったのだが今でも行っているのだろうか?合掌

by e-leitz-yasu | 2011-01-29 07:54 | 写真