魅惑のトリオター

今回もローライの二眼レフカメラである。

しかしこれは先のローライフレックスとは違い、その廉価版とでも言うべき簡便操作で戦後日本のほとんどの二眼レフの規範となった『ローライコード』である。
ローライフレックスは高級レンズの採用や独創のオートマット機能等を装備する高級機と言えるが、このローライコードはシンプル操作と小型軽量を実現した普及機として誕生している。

しかしそこは天下のフランケ&ハイデッケ率いるローライだから一切の手抜きはない。
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この機種の型式はローライコード1aタイプ3という。カールツァイスイエナ製トリオター7.5cm f4.5付
昭和13年、1938年製造である。
と言うことは、製造後70年を過ごしている。

レンズは廉価レンズと揶揄されるが私の大好きなトリプレットタイプのトリオター、単純な3枚構成でありながらツァイスのトリオターはその先鋭さで充分な性能を持っていることを証明している。
事実、テッサーやスコパーと言った名だたる銘レンズもトリプレットタイプの3群4枚構成だ。

このカメラはローライフレックスと同じくドイツケルンのオークションにて落札した。
ドイツ人の手の中で戦中戦後の混乱期をドイツで過ごしていると思われるが、いったいどんな写真を撮ってきたのか話せるものなら聞いてみたいものだ。

何年か前、私の手の中に来てからは平和利用と相成った。
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冬の朝焼け、寒々とした色合いが独特である。左下の赤い光は、赤窓の閉め忘れである。お恥ずかしい・・
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方や夕景

しかし、このローライコードは経年変化によりミラー(表面鏡)は蒸着はがれ多数でフレネルレンズもなく、すりガラスによるピントスクリーンのみのため絶望的にファインダーが暗いのが悔やまれる。

今回、簡単に手に入る樹脂の表面鏡の裏面に、平面性確保の裏打ちを施した物と交換した。
ついでに文具店で安価に手に入るフレネルレンズをすりガラスの裏に装着した。
これで劇的に?(ちょっと言い過ぎ・・)ファインダーが明るくなった。

難点は、文具店で手に入るフレネルレンズのサイズは文庫サイズまであるが、いかんせん目が粗い事だ。
仕方がないので比較的目の細かい名刺サイズのものをカットしてみたが、今度は当然ファインダー全てをカバーする事ができず645のマスクを付けたみたいになった。
今回はサイズを我慢してピント面と明るさとを考慮してこれを採用したが、何とか写真を撮る本来の目的には供せそうだ。

これで軽量洒脱なコードの持つカジュアル感を生かして、真四角写真を量産したい。
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by e-leitz-yasu | 2008-10-13 01:11 | クラシックカメラ