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900円・・・RICOH XR-500

古くは理研光学・今のリコーと言うメーカーは一般庶民・大衆向けの写真機を常軌を逸した?低価格で供給していたメーカーである。
私が伝え聞いたものではリコーフレックスと言う2眼レフレックスカメラいわゆるローライフレックスがその高級機として君臨している時代の廉価版として一世を風靡したとの事である。
何でも売り切れ続出で、如何に一般大衆が求めるものを求めやすい価格で提供していたのかが窺い知れる。

その後、私の中学・高校生になる頃のこれも驚きの価格で販売していたのがこれである。
900円・・・RICOH XR-500_c0160387_10425799.jpg
50mmf2.0の標準レンズ付きで39,800円だったのである。いわゆるサンキュッパが愛称?となっていた

それでもこの廉価版50mmf2.0のレンズはその販売価格と写りの性能から、『5,000円ズミクロン』とレンジファインダーの高級ライカレンズと並び称されるほどの評価を獲得しているのである。
他にもある低価格コンパクトカメラにおいても写りではずれを引く事が少ない優秀な物作りをしている。
当時は安物を作る2・3流メーカーと思っていたが、今はその思想の違いを知っているだけに非常に好意的に受け止めている自分が居る。
今回のXR-500もそのつくりに安っぽさは感じず、シャタースピードが1/8~1/500しかない事も必要充分でムダを省いた事での低価格設定は、リコー社内に写真・カメラを楽しむ優秀な設計者がいたことを想像させるのである。

今の日本の製造業沈下の要因はコスト重視に徹するあまり、そのあたりの設計者を雇う余裕がなくなっていることが起因しているような気がしてならない。

表題の900円とは、中古カメラ店でこのカメラに付いていた値札である事を最後に付け加えておく。
デジタル隆盛で、今でも何不自由ないカメラがこの低価格とは嬉しいような悲しいような・・

by e-leitz-yasu | 2010-09-04 10:58 | クラシックカメラ